あとがき ベートーベン交響曲第6番「田園」

 私事で恐縮ですが、ベートーベン交響曲「田園」は私にとって特別な曲です。
 と言いますのは、私が生涯で、最も最初に生演奏として聴いた曲だからです。

 時は昭和22年10月、旧制中学の5年生、今で言うと高校2年のときでした。
 日本は第2次大戦に負けて2年後(終戦は昭和20年8月)のまだ焼け跡いっぱい、食べ物も不自由なときでした。

 戦時中は、西洋音楽は「敵国のもの」としてご法度であり、多感な少年時代を軍歌のみ聴かされ、歌わされて育ちました。
 戦後、ご法度が解けたとたん、なぜか無性に音楽に魅かれ、最初に出会った生演奏がこれでした。

 下は当日のプログラムの一部です。紙質も印刷も悪く変色してしまいました。 



 まさに感激の極み、このような美しい音がこの世にあるのかと驚嘆しました。
 この感激を原動力として音楽に対する情熱は今日まで永続し今後も衰えることはないと思います。
 親に強制されていやいや音楽をする人もいる世の中、何が幸せかを考えさせられる今日この頃です。